SHORT STORY
#0-2海女取島 久瀬シイナと久瀬セツナ
「セツナがずっと笑っていられるように、そのためにお仕事頑張るんだ」
「いつも頑張ってるしーちゃんが、幸せになれるように」
久瀬家の日々は、二人のそんな思いに支えられながら、穏やかに続いている。
海女取島は、極東の島国「瑞穂」の東部に浮かぶ小さな離島。
ここには二人の姉妹が暮らしている。
姉の久瀬シイナと、妹の久瀬セツナ。
両親も祖父母もすでに亡くなっている、姉妹二人での生活。
苦労や問題が何もないといったらそれは嘘になる。
それでも、シイナは今の生活を辛いと思ったことがない。
得意技能である狩猟の技術を生かして人の役に立ち、感謝と賃金を受け取れる。
「忙しいけど充実してるし、いい人生だよ。楽しいもん!」
そうシイナは笑う。
かつてはシイナが生活のすべての世話をしていた幼いセツナも、今では小学五年生。
最近ではむしろシイナがお世話される側になりつつある自覚もある。
庭先での家庭菜園の世話は、もはやシイナよりもセツナの方が詳しい。
日々の食事作りも、セツナが大半を担当している。
「しーちゃんには、おいしいものを食べてほしいから!」
そんな風に言ってくれる妹を、シイナは何より愛おしく想っていた。
この先、姉妹二人の生活がどんな風に変わっていくか、それはわからない。
それでも、大切な姉妹であることはずっと変わらずに、支え合って生きていく。
「セツナがずっと笑っていられるように、そのためにお仕事頑張るんだ」
「いつも頑張ってるしーちゃんが、幸せになれるように」
久瀬家の日々は、二人のそんな思いに支えられながら、穏やかに続いている。

