第1話スチールa

6月。

車椅子の少女、八神はやては孤独な暮らしをしていた。

誕生日の前日にもかかわらず人気のない家の中、はやては一人、部屋で読書で過ごしていた。

だが、はやてが9才の誕生日を迎えたその瞬間、本棚にあった、鎖で封をされた一冊の本が輝き出す。

突然の事態におびえるはやてに、鎖の封を破ったその本は、はやてに

「封印を解除します」と静かに告げた。

そして、12月。

小学三年生…高町なのはは、今朝も日課の「魔法の練習」を続けていた。

春先に起こったある事件で「魔法の力」と出会ったなのはは、その時からずっと自らの魔法と向き合い、訓練を重ねていたのだった。

自らの魔法のデバイス、レイジングハートとともに魔法弾の誘導制御…シュートコントロールの鍛錬を終え、なのははかつての日々を思う。

魔法との出会いをくれた少年、ユーノ・スクライア。

事件に関わった時空管理局の面々、リンディ・クロノ・エイミィ。

そして、ライバルとして戦いの中で絆を結び、いまは遠く離れてビデオメールで友情をつないでいる少女、フェイト・テスタロッサ。

そんな、いまは離ればなれな一同との再会を心待ちにするなのは。

一方、時空管理局艦船・アースラでは、フェイトの最後の裁判に備えての会議が行われていた。

フェイトはかつて母プレシアが起こした次元災害事件の関係者として裁判を受けている最中であり、無罪に向けての最後の裁判を明日に控えているのだった。

裁判が終わったら、なのはに会いに行ける。

そんな願いをこめて、静かにその時を待つフェイト。

艦船アースラも整備のために本局のドック入りを行い、クルーもしばしの休暇となる、そんな平穏な予定の中に、暗いニュースが舞い込んでくる。

一級捜索指定のかかっている古代遺産(ロストロギア)が、稼働しているというのである。

そしてなのはたちの世界、深夜の闇の中。

魔法の衣服に身を包んだ少女、ヴィータが、時空管理局の捜査員を襲撃していた。

倒した捜査員を前に、ヴィータは一冊の本を取り出し、その本に捜査員たちの「魔力の源」を吸収しはじめる。

「闇の書」

そうヴィータが呼ぶその本は、はやての部屋で目覚めたあの本だった。

翌日。平凡な学校生活を送るなのはたち。

なのはの友人・すずかは、学校帰りの図書館で、はやてと巡り会う。

同い年で、お互いに図書館によく来る同士話がはずみ、再会の約束をしてその場を別れる。

はやてを迎えに来た二人の女性、シャマルとシグナム。

夕食の話をしながらのんびりと車椅子を押されて帰るはやてが、最近外出の多いヴィータとザフィーラのことを気にする。

そんなはやてに、「少し距離が離れても、わたしたちはいつでもあなたのすぐそばにいます」

そう微笑むシャマルとシグナム。

その夜。市街地の上空で、ザフィーラとヴィータは「大きな魔力反応」を捜索していた。

闇の書をヴィータが預かり、それぞれ別れて探すことにする二人。

広域結界「封鎖領域」を展開するヴィータ。

市街地を覆う結界の中に取り残されたなのは。

ヴィータはなのはの魔力反応に感づき、なのはの元へと向かう。

危険の予感にわずかに戸惑うなのはだが、自ら相手の元へと赴くことを決めるなのは。

ビルの屋上で、接近してくる相手を待つなのは。

不意打ちの攻撃と共に現れたヴィータの攻撃をかろうじて防ぎ、襲撃の理由を問うなのはだったが、ヴィータは有無を言わせずに攻撃を続ける。

魔法の防護服・バリアジャケットをまとい、レイジングハートを起動させて戦うなのは。

若干なのは優勢の戦いは、だが、なのはがヴィータの帽子をはじき飛ばしてしまったことで一変する。

帽子を壊されたことに怒ったヴィータは、自らの武器…鉄槌のアームドデバイス「グラーフアイゼン」に「カートリッジロード」を命じる。

デバイス内に装填された弾丸が炸裂し、とたんにヴィータとグラーフアイゼンの魔力が高まる。

驚くなのはに、ロケット推進の打撃モード・ラケーテンフォルムに変形させたグラーフアイゼンでヴィータはなのはに襲いかかる。

なのはのバリアと防御を突き破る圧倒的な攻撃力の前に、なのはとレイジングハートは負傷し、倒されてしまう。

バリアジャケットとレイジングハートも深く破損し、気を失いかけるなのは。

さらなる一撃を加えようとするヴィータ。

だがそこに、鋼の響きと共に、ヴィータの攻撃を受け止める一人の少女の姿があった。

そして、なのはの傍らには懐かしい少年の姿も。

フェイトとユーノが、救援に訪れていたのだった。

仲間か、と問うヴィータに、フェイトは愛用の杖・バルディッシュを構えて、静かに告げる。

「――――――友達だ」

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